よみがえるブラックパンサー、米社会に根強い影響
(CNN) 2月に行われた米プロフットボールリーグ(NFL)の第50回スーパーボウルでは、歌手のビヨンセとアフロヘアのダンサーらが黒革のジャケットとベレー帽に身を包み、黒人解放組織「ブラックパンサー党」をほうふつとさせるパフォーマンスを披露した。だが、パンサー党の影響はこれ以前から絶えることなく続いている。
パンサー党は1966年、警察による黒人への暴力に端を発した暴動が全米の都市に広まる中で結成された。法の抜け穴を突いて、公の場で銃を持ち歩き警察の行動を監視したほか、言葉を武器に政治的な革命を訴えた。
一方、無料の医療サービスや貧困層の子どもに食事を提供する活動なども行った。その特徴的なビジュアルや言動はテレビやポスターを通じて人々の心をつかみ、パンサー党の党員は単なる「戦闘員」を超えて、米国のポップカルチャーや政治文化の先駆的な存在になった。
現在の「黒人の命も大事」運動やソーシャルメディアの流行、大統領選に名乗りを上げている実業家のドナルド・トランプ氏の攻撃的な言動なども、何らかの形で同党が生み出してきたものを踏襲していると歴史家らは指摘する。
創設から50年を迎えた今年、パンサー党に改めて注目が集まっている。米公共放送PBSはこのほど、同党についての新ドキュメンタリーを公開。ビヨンセのパフォーマンスの影響もあり、ソーシャルメディア上では当時の画像が出回り、党の目的を巡る新たな議論も巻き起こった。
以下では、パンサー党の影響が今も続く理由3点を探る。