FBI、iPhoneロック解除に1億円超す支払い
ワシントン(CNN) 米カリフォルニア州サンバーナディノで起きた銃乱射事件を調べている米連邦捜査局(FBI)が、容疑者のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」のロックを解除した企業に100万ドル(約1億1000万円)を超える報酬を支払ったことが明らかになった。
FBIのジェームズ・コミー長官は21日、ロンドンで開催されたアスペン・セキュリティー・フォーラムに出席。ロック解除にかかった費用を聞かれて「相当額だ。私が今後、つまり(長官の任期が切れるまでの)7年と4カ月の間に稼ぐ額よりも多かった」と答えた。
FBI長官の年俸は18万1500ドル(約2000万円)。7年4カ月分だと約133万1000ドル(約1億4500万円)となる計算だ。
コミー長官は、捜査のためのロック解除への協力を求めるFBIとそれを拒否するアップルの法廷闘争が世間の注目を集めたことで、「以前は存在しなかった世界市場が少しばかり刺激されてしまった」と指摘。企業の協力に対する報酬の相場が上がったことを示唆した。
4月に入り、長官はFBIがiPhoneのロックを解除するための「ツール」を民間企業から購入したことを明らかにしたが、企業の名前や提供されたサービスの内容については詳述を控えている。
また長官は、今後、携帯電話の暗号解読の必要に迫られた場合に、ハッキングや多額の外注費支払いをせずにすむような現実的な解決法を見つけたいとの考えも示した。