米大統領選は躍進のチャンス? リバタリアン党の実態を探る
また人は自分の思いのままに生きることができると主張。伝統的な価値観に沿った生き方であれ強烈な薬物の摂取であれ、政府はライフスタイルを規制すべきではないと訴える。「社会問題に関し保守的なライフスタイルを選ぶことも可能だが、法律によって他人にそうした生き方を強制することまでは望まない」
妊娠中絶の問題については、多くのリベラルな党員と異なり保守的な立場を取る。胎児はすでに子どもにあたるとの見方を示し、「生命の神聖さなくして自由はない」と述べる。
ジョン・マカフィー氏
マカフィー氏はサイバーセキュリティーの専門家だ。今回リバタリアン党の大統領候補となることを目指したものの、指名獲得はかなわなかった。リバタリアニズムについては、経済や社会面での独自の生き方だとの見方を示す。
リバタリアン党のあり方を決める原則として同氏が挙げたのは4点。「第1に、個人の身体と精神は我々自身に属するものであって、政府や他者のものではない。第2に、お互いに危害を加えてはならない。第3に、お互いの物を奪ったり他人の財産を盗んだりしてはならない。第4に、合意した事項は守らなければならない」としている。
カーラ・ハウエル氏
リバタリアン党全国委員会の政治責任者を務めるカーラ・ハウエル氏。同氏によれば、党として公式に提唱しているのは「政府の最小化と自由の最大化」だ。
具体的な政策としては、減税や薬物取り締まりの中止、機能していない政府機関の民営化を挙げる。また軍事介入の中止や外国への資金援助の打ち切りも党の方針だといい、平和の促進や歳出削減につながるとしている。
ハウエル氏によれば、基本となる考え方は「政府の役割を今日より大幅に縮小すること」だという。