米連邦当局、マリフアナの規制緩和を拒否
この点、DEAは同局がこれまでFDAやNIDAの承認を経た研究の妨げとなったことは一度もないと言及。今後もマリフアナ研究の合理化に向けFDAやNIDAと連携していくと強調した。DEAによると、今年6月時点でマリフアナも含めた付表1の指定物質に関する研究は483件登録されているという。
ただ、マリフアナの規制緩和に応じない今回の決定には患者や研究者から不満の声が上がっている。オレゴン州選出のアール・ブルームノアー下院議員(民主党)は、「付表1への指定の維持は時代遅れで、誤ったアプローチだ。患者やマリフアナの事業者を州法と連邦法のはざまに置き去りにしている」と批判した。
2歳の時に難病のドラベ症候群と診断されたコロラド州の少女は、1週間に最大300回の発作に見舞われることもあったが、5歳から医療用マリフアナの投与を始めたところ発作が1年以内に月1~2回にまで減ったという。少女の母親はマリフアナの付表1への指定について、「違法とされ、いつでも取り上げられる恐れがある」と懸念を示す。コロラド州は医療用、嗜好用ともにマリフアナの使用が合法とされ、これまでこの少女と同様の境遇の100家族以上が移住してきている。
ただ、付表1からの指定解除がマリフアナの医療目的利用を促進するわけではないと指摘する人もいる。シスリー氏の研究を支援する団体の創設者、リック・ダブリン氏は「付表1の薬物でも研究可能なことはこれまで示してきた」と語る。ただ、NIDAによる研究用大麻を巡る独占状態については、「マリフアナの医療利用の上で最後の政治的障害だった」との認識を示した。
州法レベルでは現在、25州とコロンビア特別区で医療用マリフアナの使用が認められている。