トランプ氏、入国禁止の新大統領令に署名 イラクは除外
ワシントン(CNN) 米国のトランプ大統領は5日、イスラム教国6カ国から米国への入国を禁止する新しい大統領令に署名した。1月の大統領令で対象としていた7カ国のうちイラクを除外。難民の入国は一時的に全面禁止とする措置を改めて打ち出した。
1月の大統領令は全米の空港で混乱状態を引き起こし、米連邦裁判所が効力を停止させていた。
新しい大統領令は16日に発効予定で、シリア、イラン、リビア、ソマリア、スーダン、イエメンの6カ国の市民について、最低でも90日間、ビザの発給を停止する。米政府高官によると、6カ国の市民であっても、米国の永住権や正規のビザを持つ人は、1月の大統領令でビザが無効になった人も含めて、入国禁止の対象外とする。
難民については120日の間、受け入れを中止し、米当局に対して審査の強化を指示する。
1月の大統領令ではシリア難民の受け入れを無期限で停止し、出身国で少数宗教に属する難民は受け入れを優先するという条項を盛り込んでいたが、新しい大統領令からはこの条項が削除された。少数派宗教の優先条項に対しては、宗教が入国審査の条件とされ、キリスト教徒がイスラム教徒より優先される恐れがあるとして批判の声が出ていた。
セッションズ司法長官は5日、「我々が審査を行うために必要な情報を出身国の政府が提供できない、または提供する意思のない場合、あるいはそうした政府が積極的にテロリズムを支援している場合、そうした国からの訪問者の入国を許可することによって、我が国の安全をないがしろにすることはできない」と強調した。