トランプ米大統領、バノン首席戦略官に「最後通牒」か
ワシントン(CNN) トランプ米大統領の首席戦略官であるスティーブ・バノン氏の政権内での立場が危うくなっているようだ。バノン氏は先ごろ、国家安全保障会議(NSC)の常任メンバーから外されたばかりだ。
トランプ大統領は先ごろ、ニューヨーク・ポスト紙の取材に対し、「私はスティーブのことが好きだ。だが彼が私の選挙陣営入りしたのは選挙戦の終わりのほうだった」と指摘。「(その時点では)私はすでにすべての上院議員と知事を(共和党の候補指名レースで)破っていたし、スティーブのことは知らなかった。私は自分で戦略を立てており、ひねくれ者のヒラリー(・クリントン候補)と戦うからといって、戦略を変えるつもりはなかった」と語った。
トランプ大統領は「スティーブはいいやつだが、私は(側近らに)状況を正せと命じた。さもなければ私がやると」とも述べた。
バノン氏は昨年8月にトランプ陣営に参加し、参謀としてトランプ氏の「米国第一主義」的な世界観に肉付けをしたとされる。当選後はトランプ政権の4人の上級顧問の1人となり、イスラム圏諸国からの渡航禁止を定めた大統領令の策定を主導したとされる。メディアたたきをふくむ大統領の公の発言に、バノン氏の影響が見られていた。
だがトランプ氏にかわいがられるには、バノン氏は大物になりすぎたようだ。
トランプ政権における最も重要なルール、それは「ボスを追い越してはならない」ということだ。序列第1位はあくまでもトランプ氏なのだ。
トランプ大統領の今回の発言は「出しゃばるのをやめるか出ていくか」をバノン氏に迫るものといえそうだ。今後のバノン氏の対応が注目される。