トランプ政権予算教書、外交関連を大幅削減 与野党から批判
ワシントン(CNN) トランプ米政権は24日までに、2018会計年度(17年10月~18年9月)の予算教書を議会に提出した。国務省と国際開発局(USAID)の予算を約32%削減するとの案に対し、国際的な影響力の低下を懸念する声が上がっている。
トランプ政権はこの予算について、大統領の「米国第一」主義を反映し、「世界の安定と米国の繁栄」を実現する案だと説明した。
具体的には、外国の治安や経済成長を支援する事業、人道支援、災害援助といった予算のほか、国連など国際機関への拠出金が削減される。削減幅は人道支援事業で31%、国際保健事業で25%に上る。気候変動対策活動への拠出金は廃止される。
これに対し、下院外交委員会のエンゲル議員(民主党)は「外交と開発を二の次にする政策は米国の指導力を低下させ、国民の命を危険にさらし、ロシアや中国が空白を埋めることを許すことになる」と批判した。
上院外交委員会のカーディン議員(民主党)は、マティス国防長官が中央軍司令官を務めていた2013年、議会の公聴会で「国務省に十分な予算を割り当てなければ、私は結果的にもっと多くの弾薬を買わざるを得なくなる」と発言していたことを指摘。外交や開発支援の予算を削減することで、「世界は米国家と国民にとってさらに危険な場所になる」と主張した。
反対意見は野党だけにとどまらない。下院外交委員長のロイス議員(共和党)も「国務省と国際開発局の予算を大幅に削減すれば、米国の安全保障が脅かされる」と主張する。
共和党の重鎮、グラハム上院議員は先月、国務省予算を3割近く削減するとの方針に対し、「私の目の黒いうちにそんなことはさせない」と語っていた。