トランプ米大統領、プエルトリコ首都の市長と非難の応酬
ワシントン(CNN) 大型ハリケーン「マリア」で甚大な被害を受けた米自治領プエルトリコの首都サンフアンのクルーズ市長らと、トランプ米大統領の対立が深まっている。トランプ氏は30日のツイートで、クルーズ氏の「リーダーとしての能力」や住民の自助努力が欠けていると批判した。
トランプ氏は同日早朝、週末を過ごしているニュージャージー州のゴルフ施設から書き込んだ一連のツイートで「サンフアン市長はほんの数日前まで深い敬意を表していたのに、民主党からトランプに意地悪しろと言われたのだ」と言い放った。また、プエルトリコの住民は「地域で努力するべきなのに、何もかもしてもらおうとしている」と批判した。
一方で連邦政府から派遣された兵士や緊急要員は「素晴らしい仕事」をしていると称賛した。
さらに、CNNやNBCのような「偽ニュース」が「トランプをやっつけるために素晴らしい緊急要員をわざわざけなしている」と主張した。
これに対し、クルーズ氏は米MSNBCテレビとのインタビューで「私は助けを求めただけ。トランプ氏に意地の悪いことを言った覚えはない」と反論した。
トランプ政権の対応は、テキサス州やフロリダ州を襲ったハリケーンと比べて遅れが目立つと指摘されてきた。2005年にブッシュ元大統領がハリケーン「カトリーナ」への対応で批判を浴び、政治的打撃を受けた例と比較する声もある。
28日にはデューク国土安全保障長官代行が記者団とのインタビューで、連邦当局の対応に「満足」していると語り、死者の数が限られていることは「いいニュースだ」と述べて猛反発を買った。クルーズ氏はCNNとのインタビューで「いいニュースなんてとんでもない。人々が死んでいるというニュース、生か死かというニュースだ」と怒りをあらわにしていた。