米国防総省、旧型クラスター爆弾の使用中止を撤回へ
ワシントン(CNN) 米国防総省が近くクラスター爆弾に関する新政策を発表し、旧型クラスター爆弾の使用を2019年までに中止するよう義務付けた従来の計画を破棄する見通しであることが1日までに分かった。CNNが入手した国防総省の覚書の写しで明らかになった。
パトリック・シャナハン国防副長官の署名が入った覚書は、「国防総省は現行のクラスター爆弾の能力に取って代わる高度で信頼性の高い弾薬が導入されるまで、現在現役のクラスター爆弾を保持する」と言及。こうした兵器について、「効果的かつ必要な戦力」と形容している。
クラスター爆弾は衝撃が加わると最初の爆発を起こすだけでなく、広範囲に飛び散る多数の小型爆弾も搭載している。人口集中地域で使用された際に民間人に犠牲者を出すリスクがあるため、国際社会から広く非難されている。
北大西洋条約機構(NATO)加盟国の大半を含む100カ国以上がクラスター爆弾の禁止を求めているほか、人権団体も同爆弾による民間人への被害をめぐり懸念を表明してきた。
一方、米国は中国やイラン、北朝鮮、ロシア、サウジアラビアなどと並び、クラスター爆弾の売却や使用の禁止を拒んでいる。
国際人権団体ヒューマン・ ライツ・ウォッチは2016年、サウジ主導の連合軍がイエメンの民間人居住地域で米国製のクラスター爆弾を使用したとして非難した。サウジ側はこれを否定している。
2008年にはロバート・ゲーツ国防長官(当時)は米軍に対し、旧型クラスター爆弾の使用を2019年1月1日までに中止するよう命令。少なくとも99%の起爆率、または、不発弾の信管を自動的に除去する高度な安全装置を備えた新型爆弾のみを保持するよう命じていた。