キリスト教伝道師ビリー・グラハム師死去、歴代大統領と親交
(CNN) 米国の著名なキリスト教伝道師で、歴代大統領とも親交のあったビリー・グラハム師が21日に死去した。99歳だった。広報担当者が明らかにした。グラハム師は数世代にわたり米国の福音派を導いてきたほか、世界中を回って福音を伝えた。
広報担当者によれば、ノースカロライナ州モントリートにある自宅で息を引き取ったという。
細身で良く響く声を持ち、60年以上にわたり2億1500万人近くに福音を伝えたほか、ハリー・トルーマン元大統領やバラク・オバマ前大統領とともに礼拝を行ったこともある。リンドン・ジョンソンやジョージ・W・ブッシュ、ビル・クリントンなどの歴代大統領は同師の精神的な助言に深い信頼を寄せていた。
歴史家によれば、その影響力は甚大で、「米国という国家の牧師」「プロテスタントの法王」と呼ぶ人もいた。
ビリー・グラハム伝道教会によると、グラハム師は300万人以上に布教活動を行い、世界185の国・地域で説教を行ったとされる。
トランプ大統領はツイッターで、「偉大なビリー・グラハム師が死去した。彼のような人はいなかった。キリスト教徒ならびに全宗教の信徒が彼を惜しむだろう。本当に特別な男だ」と述べた。
ペンス副大統領のほか、ジミー・カーター氏やジョージ・H・W・ブッシュ氏といった元大統領も声明で弔意を示している。
1918年11月7日生まれ。ノースカロライナ州シャーロット近郊の酪農場で育った。同市で福音伝道者の説教を聞いて個人的に神に帰依するようになったという。ドワイト・アイゼンハワーに大統領選出馬を促したほか、歴代大統領と信仰を深めたが、政治に関与しすぎたと批判する声もあった。