中ロの超音速兵器、ミサイル防衛通用しない恐れも 米軍高官が警告
ワシントン(CNN) 米戦略軍トップのジョン・ハイテン司令官がCNNの単独インタビューに応じ、現在の米軍のミサイル防衛が通用しない新型の超音速兵器開発に、ロシアと中国が力を入れていると指摘した。
新型兵器の運用が開始されるのは、まだ数年先になる見通し。しかしハイテン司令官は、米軍のミサイル防衛システムの対応を急がなければ、新型兵器の運用が開始されても、米軍には検知できないと警告した。
「中国もロシアも超音速性能の実験を行っている。我々も実施してきた。超音速性能は重大な課題だ」「我々が超音速の脅威を察知するためには、違うセンサーが必要になる。敵はそのことを知っている」(ハイテン氏)
同氏や米軍高官によると、現行世代のミサイル検知衛星やレーダーでは、そうした新世代の兵器を検知するには不十分だという。超音速は一般的に、マッハ5(時速約6000キロ)より速い速度を表す。
ハイテン氏は異例の率直さで米軍のミサイル防衛の不備を認め、「そうした兵器の我々に対する使用を否定できる防衛力を我々は持たない。従って、抑止力としてのトライアド能力と核能力で、そうした脅威に対抗しなければならない」と語った。
超音速ミサイルは宇宙へ向けて発射された後に降下して、航空機と同じような飛行経路を高速で飛行する。軌道が低いことから米軍のミサイル防衛衛星やレーダーで検知するのは難しい。ロシアは超音速ミサイルや、水中超音速ドローンの開発を進めていると公言してきた。