建設現場で黒人とみられる95人の遺体、奴隷解放後も強制労働か 米
(CNN) 米テキサス州の建設現場で今年2月に遺体が発見されたのを皮切りに、これまでに95人の遺体が見つかった。当局はこれらの遺体について、受刑者の労役施設で強制労働を課されていた解放黒人奴隷のものとの見方を示している。
発見現場はテキサス州ヒューストン郊外にあるシュガーランド。同州フォートベンド郡の学区が土地を所有しており、新しい技術学校の建設に取りかかっていた。
これらの墓は100年以上にわたり地下に埋もれており、手つかずの状態だった。しかし研究チームは16日、埋葬されているのは奴隷の遺体とみられると発表。奴隷制が違法になったものの、多くの黒人は事実上まだ奴隷状態にあったという、忘れられかけた歴史の一時期を明るみに出した。
学区の責任者は声明で、「地域にとっても学区にとっても、郷土史についての学びを深める類いまれな機会だ」と述べている。
発見のきっかけは、1980年代にテキサス州刑務所の看守を務めていたレジナルド・ムーアさんが、歴史的な墓地に関心を抱いたことだ。
ムーアさんの狙いのひとつは、シュガーランドに存在した「受刑者リースシステム」の過酷な実態を認識してもらうことにある。このシステムでは、受刑者が強制労働に従事させられていた。
ムーアさんはフォートベンド郡で別の墓地も管理しており、シュガーランドで昨秋に学校建設が始まった際、付近に他にも墓地があるかもしれないと当局者に告げた。