トランプ氏、両親の税金逃れを手助けか 米紙報道
ワシントン(CNN) 米紙ニューヨーク・タイムズは2日、トランプ米大統領が1990年代に両親の税金逃れを手助けして、巨額の資産を引き継いだことが分かったと報じた。この中には明らかな脱税行為も含まれていたという。
同紙によれば、トランプ氏はわずか3歳の幼少期から始まって継続的に、父の故フレッド・トランプ氏から少なくとも4億1300万ドル(470億円)相当の資産を贈与されていた。1年当たりの贈与額は大学卒業後で100万ドル、40~50代では500万ドル以上に及んだ。
フレッド氏はトランプ氏に車や株、ニューヨークのマンハッタンに初めて構えた事務所などの購入資金を渡していた。クリスマスプレゼントとして1万ドルの小切手を贈ったこともあったという。
両親はトランプ氏ら子どもたちに架空の会社などを譲渡することによって財産を隠し、巨万の富を築いたとみられる。
フレッド氏はさらに数百万ドル分の不正な税額控除を受け、トランプ氏がこれを手助けしていた。トランプ氏は、両親の税申告で不動産の価値を実際より低く見せかける工作にも加担したという。
フレッド氏は1999年6月、メアリー・アン夫人は2000年に死去した。フレッド氏が亡くなる前の97年に、トランプ一家は特殊なトラスト(信託)制度を使い、相続にともなう税金を一切払わずに子どもたちの代へ資産を移転したことも、新たに分かった。
ニューヨーク・タイムズはここ1カ月余りで、銀行明細や会計監査報告、使用済み小切手など、10万ページを超える文書を独自に調べた。この中にはフレッド氏らの納税申告書200点余りも含まれている。同紙はさらに、かつてフレッド氏の顧問を務めたり、同氏に雇われていたりした人々からも話を聴いたという。