子どもの手足がまひする疾患、米国で患者数増大 CDC
(CNN) 米国で、ポリオのようなまひ症状を伴う疾患「急性弛緩(しかん)性脊髄(せきずい)炎(AFM)」の患者が増え続けている。米疾病対策センター(CDC)は22日、今年に入って調査対象とした患者が子どもを中心に155人に上ることを明らかにした。
このうち22州の62人についてはAFMだったことが確認された。残る患者については調査を続けている。
AFMは深刻な症状を伴う神経系の疾患で、特に脊髄の灰白質に影響を及ぼす。米国での年間の感染者は、CDCの推計で100万人中1人に満たない。
しかしCDCが調査対象とした患者数は、1週間前の127人からさらに増加した。この間に新たにAFMと確認された患者は報告されていない。
確認された患者の平均年齢は4歳で、全患者の90%以上を18歳以下の子どもが占める。CDCは症例数が増え始めた2014年から検査や経過観察を続けてきた。
CDCなどの専門家によると、AFMについては原因も含めてまだ分からないことが多い。特定のウイルスや環境有害物質、遺伝性疾患などに起因する可能性も指摘されているが、他の神経疾患と共通する症状も多いことから診断が難しいという。
長期的な影響についても、すぐに治る患者とまひなどの症状が長引く患者がいる理由についても、まだよく分かっていない。
CDCでは、腕や足に突然力が入らなくなるなどの症状が出た子どもは、すぐに医師の診察を受けさせるよう呼びかけている。