「忠誠の誓い」拒否した中学生を拘束、人権団体から批判 米
(CNN) 米フロリダ州の中学校で11歳の黒人男子生徒が日課の「忠誠の誓い」を拒否した後、校内の規律を乱したなどとして拘束されたことに対し、人権団体などから批判の声が上がっている。
地元の学校区や警察によると、少年は今月4日、教室内で忠誠の誓いを拒否。担当の代理教員によれば、この時「国旗は人種差別的」「国歌は黒人を侮辱している」と主張した。代理教員は少年とのやり取りの後、学校の事務室に連絡した。校内に常駐する警官も駆け付けた。
警官が少年に退室を求めると、少年はいったん拒否した。その後教室を出て事務室へ連れて行かれる間、さらに騒いで脅しをかけたという。警察によれば、少年は学校の業務を妨害し警官に抵抗したとして拘束され、鑑別所へ送られた。
少年の母親は地元のCNN系列局に対し、「息子がこんな目に遭ったのは初めて」「処分を受けるとしたら学校のほうだ」と怒りをあらわにした。母親によれば、少年は優秀な生徒を集めた選抜クラスに入っている。かつていじめの対象になったことがあるという。
生徒の母親は、学校側は異なる対応を取るべきだったと話している/Bay News 9
少年が拘束されたとの報道を受け、憲法で保障された言論の自由の侵害だとする批判が巻き起こった。人権団体「米市民自由連合(ACLU)」のフロリダ支部は、「黒人の生徒に対する行き過ぎた取り締まりの一例だ」とツイートした。
学校区は18日、生徒の言論の自由を尊重するとの声明を発表。代理教員の行動は容認できないとの立場を示した。代理教員は学校からの退去を命じられ、学校区内での職場復帰を禁じられたという。