米上院の女性議員、軍でのレイプ被害告白 元戦闘機操縦士
(CNN) 米空軍で実戦を経験した初の女性戦闘機操縦士との経歴を持つマーサ・マクサリー米連邦上院議員(アリゾナ州選出)は6日、空軍在籍時に上官の将校に性的暴行を受けた被害を明らかにした。
米軍内の性的暴行問題を取り上げた米上院軍事委員会の小委の公聴会で打ち明けた。CNNの取材に応じた同議員のスタッフによると、小委に出席した証言者と誠実に話し合うため自らの過去を告白したという。また、この日の発言について議員が過去数日間を費やして考慮を重ねていたことも明らかにした。
共和党所属のマクサリー議員は大佐として空軍を退役した。
公聴会では証言者に対し「あなたと同様、私も軍の性的暴行の生存者」と語りかけた。被害を報告せず、組織による対処も信用しなかったとし、こみ上げる感情をにじませながら「絶望の余り退役寸前まで追い詰められた」と振り返った。
「組織自体が何度も私をレイプすると感じたが、去らなかった」と述べ、勇気を奮い起こすかのようにしばし沈黙した後、「私はとどまることを決めた」と付け加えた。
また、事前準備した発言の最後には、軍内の性的暴行問題を組織文化の変革や司令官の率先で内部から解決する必要性に言及。「司令官を性的暴行問題の阻止、察知や処罰で決定を下す責任から排除してはいけない」と強く提案した。
一方、米空軍の報道担当者は声明で、マクサリー議員が打ち明けた犯罪的な行為は空軍兵士たるべき全ての資質に背いていると主張。議員が経験したことはおぞましく強く気の毒と思うとし、「我々は議員や全ての性的暴行の被害者を支援する」と強調した。