米政権、クルーズ船のキューバ乗り入れ禁止 旅行者に混乱
(CNN) トランプ米政権は4日、キューバへの渡航制限を強化し、米国のクルーズ船が同国に乗り入れることを禁止すると発表した。
突然の発表を受けて、米クルーズ業界に動揺が走っている。大手のノルウェージャンクルーズラインは動向を注視し、キューバ行きクルーズへの影響を見極めるとのコメントを出した。ロイヤル・カリビアン・クルーズは、キューバに向かう予定だった5日と6日の出航について旅行日程を変更するとしたほか、影響を精査すると明らかにした。CNNはほかの数社にもコメントを求めたが、回答は得られていない。
混乱はインターネットの旅行サイトや、すでにキューバ行きのチケットを購入していた旅行者らにも広がっている。
クルーズの口コミ情報サイト「クルーズ・クリティック」のエリカ・シルバースタイン氏は、同サイトも「待機モード」だと話す。同氏は一方で、クルーズ会社は悪天候などで旅程を変更することも多く、キューバ行きの旅が中止に追い込まれても同様に調整を図るだろうと指摘した。
トランプ政権はこれまでに、対キューバ制裁を緩和したオバマ前政権の政策を非難し、渡航制限などを復活させてきた。文化、教育面の交流を目的としたグループでの渡航は容認していたが、今回の発表ではこの枠も廃止された。ただし、5日以前に航空チケットを購入したり、宿泊予約を取ったりしていた場合は渡航を認めるとの条項もあり、クルーズ船の乗り入れ禁止との矛盾がさらに混乱を招いているようだ。