米軍の自殺者、増加傾向止まらず 昨年は541人
ワシントン(CNN) 米軍で2018年の1年間に自殺した兵士が541人に達したことが、米国防総省が26日に発表した報告書で分かった。
エスパー国防長官は25日、記者団に対して「今後のさらなる自殺を防ぐための答えが出せればいいのだが、それができない。若者の自殺という、いわば国家的疫病にわれわれは足を取られている。しかも若者だけにとどまらない」と語った。
2017年の自殺者は511人だった。18年は特に、現役兵の自殺の増加が目立つ。
18年に自殺した現役兵は325人と、前年の285人、16年の280人に比べて急増した。一方、予備役の自殺は18年が81人、17年が93人、16年は80人だった。州兵の自殺は18年が135人、17年が133人、16年が122人となっている。
デービッド・ゴールドファイン空軍参謀総長は、「自殺という敵は、世界中のどの敵よりも多く、空軍兵の命を奪っている」と指摘していた。
国防当局者によると、配属部隊や派遣先と自殺との直接的な相関関係は見られないという。
現役兵の自殺率は2013年~18年の間に10万人中18.5人から24.8人へと上昇している。予備役は10万人中22.9人、州兵は30.6人だった。
国防総省によると、2018年の兵士の自殺率は、州兵を除き、米国の人口に占める自殺者の比率とほぼ一致している。
自殺した兵士は主に30歳未満の下士官の男性で、所属部隊を問わず、銃による自殺が多かった。