パイプラインから原油流出、反対根強いキーストーン 米ノースダコタ州
(CNN) 米ノースダコタ州で、カナダと米国を結ぶキーストーン・パイプラインから約9120バレル(約145万リットル)の原油が流出しているのが見つかった。TCエネルギーが明らかにした。
原油はノースダコタ州北東部のエディンバーグ北部で、約2000平方メートルの範囲に流出していた。
同社は29日に同パイプラインで圧力の低下が検知されたため、直ちに閉鎖したと説明している。流出の原因は分かっておらず、独立機関がパイプラインを調べている。
大気の質や水質、野生生物などのモニターも続ける予定で、今のところ負傷者はなく、野生生物への影響も確認されていないという。
ノースダコタ州環境品質局も、湿地帯で原油が流出し、同局の担当者が現場で対策に当たっていることを明らかにした。
今回の流出について、非営利組織の先住民族環境ネットワークは「キーストーンXLの建設に関してまさに我々が懸念していた事態だ」と述べ、パイプラインのインフラ安全対策が不十分だったとして同社を批判した。
キーストーン・パイプラインはカナダのアルバータ州から米テキサス州まで全長約4000キロを結ぶ。流出が起きたのはアルバータ州を起点として米イリノイ州とオクラホマ州へと延びる「キーストーン1」と呼ばれる部分だった。
同パイプラインをネブラスカ州へと延長する「キーストーンXL」のプロジェクトについては、TCエネルギーは2020年にも建設に着工したい意向だが、反対の声も根強く、過去には警察とデモ参加者の衝突も起きている。