中国大使館員2人、米軍基地への侵入で追放 米紙報道
(CNN) 在米中国大使館の職員2人が米軍基地に侵入したとして、国外へ追放されていたことが分かった。米紙ニューヨーク・タイムズが15日、事情を知る関係者らの話として報じた。
同紙によると、中国大使館員2人は今年9月、1台の車にそれぞれの妻とともに乗り、米軍特殊部隊などが入っているバージニア州ノーフォークの基地に入ろうとした。
ゲートの警備員は一行が立ち入り許可を取っていないことに気付き、通常の手順通りにいったんゲートを入ってからUターンして退出するよう指示した。
ところが車はそのまま基地内に入って走り続け、消防車に行く手をさえぎられてようやく止まったという。
大使館員らは当時、警備員の英語が理解できず、道に迷っただけだと説明した。同紙によれば、米当局者らはこの説明に否定的な見方を示した。
一部の米当局者は、2人が基地の警備態勢を試すために侵入した可能性を指摘。そのまま制止されなければ、中国大使館はさらに高位の情報当局者を送り込むつもりだったとの説を唱えた。
同紙は事情を知る数人の話として、大使館員2人のうち少なくとも1人は外交官を装った情報当局者だったとの見方を伝えている。
中国大使館は2人の追放をめぐり、米国務省に不服を申し立てたが、今のところ中国側からの報復措置はないという。
米国務省は10月、在米の中国外交官が米当局者や教育、研究機関と接触する際に事前の通知を義務付ける新たな規制を発表した。この規制は中国が米外交官らへの規制を強化したことに対する報復措置として以前から検討されていたが、基地への侵入騒ぎを受けて国務省が導入を早めたとされる。