ロシアとの核軍縮交渉、近く開始へ 米補佐官
ワシントン(CNN) 米国のオブライエン大統領補佐官(国家安全保障担当)は5日、新戦略兵器削減条約(新START)に関するロシア側との交渉が間もなく開始されるとの見通しを示した。
ワシントンでの世界各国の外交官が集まった会合の講演で述べた。新STARTは21年が期限となっている。双方が合意すれば最長で5年間延長されることになる。
米国とロシアの間の核軍縮条約は中距離核戦力(INF)全廃条約が既に失効しているため、戦略核弾頭や大陸間弾道ミサイル(ICBM)などを削減する新STARTのみが残っている。
オブライエン補佐官は「我々は必要とする場所ではロシアに立ち向かうが、同時に米国やロシアだけでなく世界の安全確保に重要な核兵器管理では交渉する」と述べた。
兵器管理問題の専門家らは核問題の外交交渉は長期戦となるため、新START交渉の遅延を受けトランプ政権の関心の度合いへの懸念を抱いてもいた。また、INFやイランとの核合意など既存の国際的合意を否定するトランプ政権の手法にも注意を向けていた。
トランプ大統領は過去に新STARTについて「悪い取引」などと批判したことがある。米政権当局者は新STARTに代わり中国などを含めた新たな条約交渉への関心を示唆したこともあった。
ただ、中国は米ロと比べ保有量ではるかに低い水準にある自国の核兵器を減らす協定への署名に応じるとは受けとめられていない。
新STARTの更新などについてロシア側は前向きな態度を示している。