トランプ氏、「社会的距離」確保の指針を来月末まで延長へ
ワシントン(CNN) 新型コロナウイルスの感染拡大が全米各地で続いていることを受け、トランプ米大統領は29日、国民に対人接触を極力避けるよう呼び掛ける「社会的距離」確保の行動指針を来月30日まで延長する意向を明らかにした。
トランプ氏は今月16日、15日間の行動指針として、全国民に10人を超える集まりを避け、高齢者に外出を控えるよう呼び掛けていた。
その期限を前にした29日の記者会見で、うまく対応すれば「悪夢」はそれだけ早く終わると述べ、感染拡大を抑えるために指針を延長すると表明。31日には計画を最終決定し、裏付けとなるデータや戦略の概要を国民に説明すると述べた。
感染の拡大はまだ収まっていないことを認め、死亡例のピークは今後2週間以内に来る可能性が高いとの試算を紹介すると同時に、「6月1日までには回復へ向かっているだろう」と新たな見通しを示した。
トランプ氏は先週まで、行動制限は経済への打撃が大きいと主張し、来月12日の復活祭までには解除したいとの目標を掲げていた。しかしその後は慎重姿勢に転じ、27日には経済でなく国民の健康が優先だと発言していた。
これに先立ち、国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のファウチ所長は29日のCNNの番組で、米国では最終的に感染者が100万人超、死者は10万人超に及ぶ恐れがあると発言していた。
トランプ氏は会見でこの見解に疑念を示し、ファウチ氏を檀上に呼んだ。同氏は同じ数字を繰り返したが、一方で行動指針の延長による拡大抑制に期待するとも語った。