米海軍、感染拡大の空母艦長を解任 支援要請で「稚拙な判断」
ワシントン(CNN) モドリー米海軍長官代行は2日、新型コロナウイルスの感染拡大が続く空母「セオドア・ルーズベルト」のクロジャー艦長について、「稚拙な判断」を下したとして解任を発表した。クロジャー艦長はこの数日前の書簡で、乗組員の命を守るためには決然たる行動が必要だと海軍幹部に訴えていた。
モドリー氏は国防総省で記者会見に臨み、自らの指示で空母打撃群のベイカー司令官がクロジャー艦長を解任したと明らかにした。
解任理由については、クロジャー艦長が書簡送付にあたり「極めて稚拙な判断」を下したと説明。懸念を記した書簡を20~30人と広範囲に拡散したことで、同氏が「混乱」を招いたとした。
クロジャー艦長が書簡を報道陣に流出させたことを示す証拠はなく、むしろ「艦内での感染拡大という問題の複雑さに圧倒され、プロとしての行動が最も必要とされる時にプロらしい行動を取れなかった」ことが解任につながったとしている。
書簡の内容は米紙サンフランシスコ・クロニクルに掲載された。
米国の国防当局者3人がCNNに確認したところによると、書簡は「我々は戦争状態になく、水兵らは死ぬ必要がない。直ちに行動を起こさなくては、我が軍の最も信頼のおける資源を適切に保護することができなくなる。その資源とはすなわち水兵らである」とする内容。
モドリー氏は解任理由について、クロジャー艦長が指揮系統を逸脱し、安全対策が施されていないシステムを通じて書簡を送ったことで、流出の可能性を高めたとも指摘している。