対人距離呼び掛けたレンジャーを突き落とし逮捕 米テキサス州の公園
(CNN) 米テキサス州オースティンの公園で、来園者のグループにソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)を呼び掛けていたレンジャー(自然保護官)が湖に突き落とされた。
前後の様子を撮影した動画がソーシャルメディアに投稿され、注目を集めている。
警察によると、レンジャーのキャシディ・スティルウェルさんは4月30日午後、湖の船着き場に集まって「不法な飲酒、喫煙」をしていたグループに声をかけた。
動画には、スティルウェルさんがグループに、約1.8メートルとされる対人距離のルールに従って近くの広場で分散するよう求める声や、一部のメンバーが「了解」「わかった」と答える声が入っている。
スティルウェルさんは話の途中で水着姿のブランドン・ヒックス容疑者(25)に体を押され、にごった浅瀬に突き落とされた。スティルウェルさんはその腕をつかんで湖に引きずり込んだが、容疑者ははい上がって逃げ去った。
ヒックス容疑者は公務員に対する暴行の重罪容疑で逮捕された。
最初に注意されたグループの中に容疑者が入っていたのかどうかは明らかでない。
動画を撮影した人物が匿名で語ったところによると、スティルウェルさんはグループに理解を示しつつ、互いに距離を置くよう丁寧に語り掛けていたという。
逮捕状を請求した警官は、スティルウェルさんが頭を打って気を失い、おぼれる恐れもあったと指摘した。
ヒックス容疑者の弁護士は4日、CNNとのインタビューで「本人は自分の行為を恥じている」と語った。容疑者は保釈され、来月19日に次回の出廷が予定されている。裁判で有罪となれば、180日から2年の禁錮刑を言い渡される可能性がある。