米海軍、太平洋で新型レーザー兵器の実験成功 無人機を破壊
香港(CNN) 米海軍太平洋艦隊は22日、飛行中の航空機も破壊出来る高エネルギー性能の新たなレーザー兵器の実験を艦船が実施し、成功したとの声明を発表した。
この兵器システムの初めての実験とする画像や映像も公開。ドック型水陸両用輸送船「ポートランド」の甲板上にある兵器で空中の小型無人飛行機(ドローン)を無力化する様子などが収められた。無人機が燃えているような映像もあった。
実験した詳しい海域には触れなかったが、太平洋上で今月16日に実施したことは明らかにした。
この兵器の性能は明かしていない。ただ、英シンクタンク「国際戦略研究所」は2018年の報告書で、出力は150キロワットとしていた。
ポートランドの艦長は声明で、海上での無人機や小型航空機に対する実験により「我々は潜在的な脅威に対抗し得るこの兵器の貴重な情報を得られるだろう」と説明。新たな先端的な能力を踏まえ、米海軍のための海上戦闘の再定義を図るとも述べた。
米海軍は、レーザー兵器は無人機や小型武装艦艇に対する防御で効果的で有り得るとも指摘した。
CNNは2017年、中東のペルシャ湾上で米海軍水陸両用輸送船「ポンス」に乗船し、30キロワットの出力を持つレーザー兵器の実射訓練を取材したことがある。レーザー兵器担当将校は当時、レーザー兵器の仕組みについて「大量の光量子を接近してくる物体に浴びせる」と説明。「風の影響や相手との間の距離を含め懸念する材料はない。光の速さで標的に対応出来る」と続けていた。