米下院議員のジョン・ルイス氏が死去、80歳 公民権運動の象徴
(CNN) 米国の公民権運動の象徴的存在として知られ、下院議員を長年にわたって務めたジョン・ルイス氏が17日、死去した。80歳だった。
ルイス氏は膵臓(すいぞう)がんを患い、6カ月間の闘病生活を送っていた。家族は声明を出し、同氏について「その生涯のすべてを非暴力の政治運動に捧げ、歯に衣着せぬ発言で米国での平等を実現するべく戦った」と、その死を悼んだ。
ペロシ下院議長も声明で、ルイス氏の死去を発表。「米国の歴史上最も偉大な英雄の1人」「議会の良心」と、民主党の下院議員として30年以上活躍した故人の功績をたたえた。
アラバマ州トロイに生まれたルイス氏は、マーチン・ルーサー・キング牧師が主導した公民権運動に加わり、1963年の歴史的なワシントン大行進で基調演説者を務めた。
2年後にアラバマ州セルマで行われた行進では、重武装した警官隊と対峙(たいじ)。警棒で殴られ頭蓋骨(ずがいこつ)を骨折した。後年受けたインタビューでルイス氏は、流血沙汰となって米国中に衝撃を与えた当時の状況を振り返り、「死を覚悟していた」と明かした。
2011年には、黒人初の大統領となった当時のオバマ大統領から、民間人に対する最高勲章である大統領自由勲章を授与されている。