「手が小さすぎる」8歳児に警察が手錠、母親が提訴 米フロリダ州
(CNN) 米フロリダ州の小学校で、教員を殴ったとされる8歳の男の子が警察に逮捕された際の映像を、弁護士が公開した。警官は、男の子の手首が小さすぎて、手錠がうまくはめられない様子だった。
男の子の母親は11日、警官が過剰な武力を行使したなどとして、市や学校区を相手取って連邦裁判所に訴訟を起こした。
男の子がキーウエスト警察に逮捕されたのは2018年12月。この際に警官のボディカメラがとらえた映像を、母親の弁護士が10日に公開した。
キーウエスト警察は、地元紙マイアミヘラルドに寄せた声明の中で、警官の行動に問題はなく、定められた手順に従った対応だと弁明している。
母親のビアンカ・ディジェンナロさんは11日にズーム記者会見を開き、息子は逮捕されて勾留され、指紋やDNAを採取されて、顔写真を撮られたと訴えた。
男の子は暴行罪に問われて母親は法廷で9カ月間争い、最終的に検察が起訴を取り下げた。
モンロー郡検察は、男の子の精神衛生状態について鑑定を行った結果、起訴を取り下げるのが最善だと判断したと説明している。
警察の調書によると、男の子は学校のランチルームで女性教員に暴言を吐き、右手で教員の胸部を殴ったとされる。教員にけがはなかった。
ボディカメラの映像では、座って泣いている男の子を警官3人が逮捕して、「どこへ行くか知ってるな? 刑務所だよ」と話しかけている。
男の子のボディ―チェックをした警官は、後ろ手に手錠をかけようとして「手が小さすぎる」とぼやいていた。そこで両手を前に出させて手錠をかけ、警察車両の方へ連行した。
母親によると、男の子は注意欠陥・多動性障害(ADHD)、反抗挑戦性障害、うつ、不安症と診断されて、薬を服用していた。