空港でコロナ対策の健康診断を廃止か、トランプ米政権
(CNN) 新型コロナウイルス予防策として米国の一部の空港で実施されている海外からの到着客の健康診断をトランプ政権が廃止する意向であることが10日までにわかった。
この問題に通じる3人の政府当局者が明らかにした。CNNの取材に応じた米運輸保安庁(TSA)当局者によると、健康診断で感染者が判明した事例が少ないことが理由となっている。
米国内の15空港ではこれまで67万5000人の入国客を調べたが、感染者と診断されたのは15人以下だったという。
この種の健康診断は今年1月、新型コロナの最初の震源地となった中国湖北省の武漢からの到着客を対象に一部の空港で開始。
その後の数カ月間で他の空港にも広がり、感染リスクの高い諸国からの到着客を調べていた。この手続きの影響で空港で長蛇の列や混雑した状況が生まれる事態ともなっていた。
米税関・国境警備局は健康診断の廃止に関するコメントの求めに国土安全保障省への問い合わせを要請。同省はコメントを拒んだ。
空港での健康診断の効果を見極めることは難しい。米下院の監視委員会に今年提出されたデータでは、中国以外で感染が広がっていた国などから入国した国際線乗客を対象にした初期段階の調査では懸念の対象となり足止めされた乗客は少なかった事実も判明した。
空港での健康診断の内容は、病歴、現在の体調や保健衛生当局との過去の接触の有無などへの質問となっている。