米議事堂乱入で議会警察トップが辞任 警官の発砲で死者、14人を逮捕
議会警察は、議事堂に対する不法侵入の容疑で13人を逮捕したほか、不審な車両の所有者1人を逮捕したことも明らかにした。今後の捜査で逮捕者はさらに増える可能性がある。
議会警察や首都警察の警官は50人以上が負傷し、数人が重傷を負って病院に運ばれた。
首都警察の警備態勢をめぐって民主党議員などからは、トランプ大統領が何週間も前からバイデン氏の勝利確定を阻止するために集会を開くと予告していたにもかかわらず、準備が不十分だったとして批判の声が出ている。
事件当時下院議事堂にいた議員の話から、緊迫した状況も明らかになった。暴徒1人が扉の窓を破って議場に侵入すると、議会警察の警官数人が銃を抜いて引き下がるよう警告。侵入を阻止するために机や椅子が置かれたが、この人物が武器や爆弾を持っているのかどうかは分からなかったという。
民主党のラウル・ルイス議員は「私はいちばん近くにいたので、死ぬかもしれないと思った」と振り返る。「いつ、誰かが扉に半自動小銃を浴びせてもおかしくない状況だった」
警備が突破された直後に、ペロシ下院議長を含む指導部は避難した。続いて議場の下の方にいた議員は避難したが、上の方にはまだ民主党議員11人が残っており、ルイス議員は「ただ祈るしかなかった」と話している。