アジア系男性がいきなり襲撃される、手術で指切断の重傷 米加州
(CNN) 米カリフォルニア州ロサンゼルス郡の保安官事務所は20日までに、郡内でバスを待っていた小学校教員補助の男性(51)が襲撃されて重傷を負い、手術で指を切断したと明らかにした。男性はアジア系米国人だった。
小学校の同僚によると、事件はロサンゼルス市近郊のローズミードで14日に発生。午後1時過ぎ、自転車に乗った男がバス停にいたマシュー・リャンさんに近づき、最初はあいさつを交わしたものの、約10分後にいきなりリャンさんを襲撃したという。
リャンさんは両手で顔を守ろうとした後に意識を失った。通行人が血を流して倒れているリャンさんを見つけ、助けを求めた。
その後、リャンさんは病院に搬送された。本人はCNN提携局KABCの取材に、救急車の車内で指を負傷しているのに気付いたと説明。「病院に着くと、傷を見た医師から『これはひどい』と言われ、切断手術を受けた」と振り返った。
保安官事務所は容疑者の特徴を把握しておらず、現在捜査中。人種が襲撃の要因になったかどうかは不明だとしている。
同僚によると、リャンさんは10代の時、バスに乗ろうとして車にはねられる事故を経験。そのせいで発話や歩行が不自由になり、発作に見舞われるようになった。現在はつえを使って歩いているという。
同僚らがクラウドファンディングサイトでリャンさんの医療費を募ったところ、支援額はすでに目標の3万5000ドル(約370万円)を超えた。
米国ではここ数週間、アジア人やアジア系米国人への襲撃が続発しているが、警察は人種が要因とは確認していない。移民擁護団体によると、新型コロナウイルスの感染拡大が始まって以降、アジア系に対する外国人嫌悪の襲撃が増えているという。