米国で変異ウイルスの感染拡大、若者の入院が増加
2番目に多いミシガン州も再度の感染拡大に警戒を強める。グレッチェン・ウィットマー知事は、若者のスポーツや飲食店の再開を通じて感染が広がっていると述べ、新しい変異株やコロナ疲れ、移動が増えたことなどがこの傾向に拍車をかけているとした。
ニュージャージー州も同変異株のために症例数や入院者数が増えており、こうした傾向は夏にかけて続く可能性があると当局者は見ている。新規の入院者は過去2週間で28%増加した。
ニュージャージー州保健当局によると、新型コロナのために3月に入院した20~29歳の若者は31%増え、40~49歳の層は48%増だった。
一方、ワクチン接種を受けた人が多いと思われる高齢者のパーセンテージは1桁増にとどまった。
ペンシルベニア州のピッツバーグ大学は、学生の症例数急増や、B.1.1.7変異株に対する懸念を理由に外出制限を指示した。同大では先週末以来、学生寮の学生などの間で陽性者が増えているという。
全米で接種が行われている新型コロナウイルスワクチンは、B.1.1.7に対する予防効果もあると思われる。
ただCDCの統計によると、完全なワクチン接種が済んだ米国民は約17%にとどまる。米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は、ワクチンは1日あたり約300万人に接種しているとした上で、「今はまだ、後戻りして早々と勝利を宣言すべき時ではない」と強調。マスク着用や物理的距離の確保といった対策は変異株に対しても有効だと指摘して「もう少し我慢を」と呼びかけた。