4年前に刑執行の元死刑囚、凶器から別人のDNA発見 米
(CNN) 米アーカンソー州で2017年4月にリデル・リー元死刑囚(殺人罪で有罪)の刑が執行された件をめぐり、殺人に使われた凶器から別人のDNAが見つかったことが分かった。リー元死刑囚は最期まで無実を訴えていた。
リー元死刑囚は1995年に死刑相当の殺人罪で有罪を言い渡された。その2年前、当時26歳のデブラ・リースさんが首を絞められ、小型の木製バットで殴られて遺体で見つかる事件が起きていた。
リースさんの隣人数人は調べに対し、リー元死刑囚がそばにいるのを目撃したと証言。ただ、元死刑囚一家の代理人が提起した訴訟では、「リー氏と被害者殺害を直接結びつける物証は存在しない」と主張していた。
リー元死刑囚は刑執行前に英BBCの取材に応じ、「私の最期の言葉はこれまでと同じで常に変わらない。私は無実だ」と語った。
死刑執行から4年。元死刑囚一家の弁護チームは、凶器から別人のDNAが見つかったとしており、有罪判決をめぐる新たな疑問が浮上している。
元死刑囚の弁護人を務めるリー・ショート氏はCNNの取材に、「これらの調査結果が死刑執行前に出ていたら、彼はまだ生きていただろう」と話した。
人権団体イノセンス・プロジェクトや米市民自由連合などに所属する元死刑囚一家の弁護人は今回、殺害に使われた木製バットの取っ手についてDNA検査を行うよう依頼した。
そして先月、身元不明の男のDNAが検出されたとの結果が出たという。
弁護チームはまた、現場で見つかり、裁判でリー元死刑囚に不利な証拠として提示された髪の毛6本のDNA検査を依頼。検査の結果、6本のうち5本についてリー元死刑囚のものである可能性が排除されたという。