トランプ前政権のタリバーンとの合意、「降伏へのロードマップ」に
(CNN) 米スタンフォード大学に籍を置く歴史家でアフガニスタンと中央アジアを専門とするロバート・クルーズ氏は、米国のトランプ前政権が反政府勢力タリバーンと昨年結んだ合意に言及し、同勢力によるアフガニスタン掌握の過程で一定の役割を果たしたとの認識を示した。
昨年の合意では、14カ月の期間中に「米国とその同盟国、有志連合に所属する全部隊」を撤退させることが明確に示された。米国は軍の撤退とともにタリバーンの捕虜5000人余りの解放についても同意していた。一方タリバーンの合意内容は、国際テロ組織アルカイダを含むいかなる団体や個人もアフガニスタンを利用して米国もしくはその同盟国に脅威を及ぼすことがないよう対策を講じるというものだった。
クルーズ氏はCNNの取材に答え、当該の取り決めがタリバーンに「お墨付きを与えた」と指摘。これにより1つの「ロードマップ」を手にした彼らは攻撃的姿勢に訴え、民主主義で選ばれた政府を駆逐したという。
クルーズ氏によれば、この先はタリバーンが彼らの言う「イスラム首長国」を設立できるかどうかが問題となる。アフガニスタンの社会はタリバーンが最後に実権を握ってからの20年間で劇的に変化しており、現行の衝撃が過ぎ去ればタリバーンの試みに対してアフガン社会が抵抗に出る可能性もあると、クルーズ氏はみている。