ワクチン義務化で病院職員が相次ぎ辞職、分娩業務を継続できず NY州
(CNN) 米ニューヨーク州北部ロービルの病院が、新型コロナウイルスのワクチン接種義務付けをめぐって産科病棟の職員多数が辞職したため、分娩(ぶんべん)業務の休止に追い込まれる事態になった。保健当局が明らかにした。
ルイス郡保健システムのジェラルド・ケイヤー最高経営責任者(CEO)は10日の記者会見で、ロービルのルイス郡総合病院で今月24日以降、赤ちゃんの分娩を見合わせると発表。「9月24日以降はサービスを提供するためのスタッフを確実に配置することができない。辞表の提出が相次いだため、ルイス郡総合病院での赤ちゃんの分娩を見合わせるほか選択肢がなくなった」と説明した。
ニューヨーク州のアンドルー・クオモ知事が州内の全病院と長期療養施設の職員に対して遅くとも今月27日までに1回目のワクチン接種を義務付けると発表して以来、ルイス郡では病院の職員30人(うち21人は臨床部門の職員)が辞職しているという。このうち6人は産科病棟に勤務していた。
ケイヤー氏によると、同郡の病院や介護施設職員のワクチン接種率は73%で、464人が接種を受けた。一方、165人はまだ1回目の接種を済ませていない。今後受けるかは不明としている。
「この165人が1回目の接種を受けるまでに残された時間は2週間。同時に我々は、(運営継続の)危険にさらされているとみなしたサービスのための緊急時対策を立案しなければならない。直前まで待つわけにはいかない。もうあまり時間がない。期限が迫っている」とケイヤー氏は強調。産科以外の病棟についても、ワクチン未接種の職員が多いことから危険にさらされているとした。
緊急時対策には、管理業務を担当している看護師を臨床業務に配置することなどが含まれる。