米海軍幹部、軍艦9隻の解体計画を擁護 就役から3年足らずの艦も
(CNN) 米海軍幹部は13日までに、比較的新しい軍艦9隻を次年度に解体する計画について擁護する見解を示した。一方で同軍は、中国軍艦隊の規模拡大に対応することを目指してもいる。退役予定の沿海域戦闘艦(LCS)のうち3隻は、就役から3年足らずしか経過していない。
海軍作戦部長のマイケル・ギルデイ大将は11日の下院軍事委員会で、当該の艦を早期に退役させる主要な理由として、対潜戦システムが技術的に機能しなかった点に言及。現在の環境では、高性能の潜水艦を追跡する本来の任務で成果をあげる見通しが立たなくなったと説明した。
海軍が提出した2023年度予算案によると、これらの艦船の退役は約3億9100万ドル(約503億円)の節約になるという。ただLCS9隻の建造には合計で約32億ドルのコストがかかっている。
このうち「インディアナポリス」、「ビリングス」、「ウィチタ」の3隻は19年に就役した。これは当初の予定よりはるかに短い期間で退役計画が発表されたことを意味する。
他にも6隻のLCSを退役させる予定で、これらは全て単胴船のフリーダム級。三胴船のインディペンデンス級と合わせ、各LCSは40ノット以上の速度で航行できる。
16年の海軍の計画では、フリーダム級は全てフロリダ州メイポートを母港とし、主に大西洋での作戦に使用される予定だった。一方のインディペンデンス級の母港はカリフォルニア州サンディエゴで、主に太平洋での任務が想定されていた。
今回の退役の決定により、海軍は保有する最新鋭の艦の一部が近代戦に適応しないことを認めた形だ。
海軍は解体計画を発表したが、軍事予算の最終決定権は連邦議会が持つ。過去には議会が退役要請に応じなかったこともある。議員らが中国海軍の拡大並びに米中艦隊間の規模の差を注視する中、米海軍艦の削減は一段と困難になる可能性もある。