(CNN) ロシアの代表団がイラン中部にある飛行場を先月少なくとも2度訪れ、武器の搭載が可能なドローン(無人機)の検証を行っていたことが分かった。米ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)が明らかにした。CNNは検証の様子を捉えた衛星画像を独占入手した。
複数の米当局者はCNNの取材に答え、イランが2タイプのドローンについて、ロシアへの披露を先月開始したと述べた。現場はテヘランの南に位置する飛行場で、両タイプとも精密誘導ミサイルを搭載できるという。
サリバン氏はCNNへの声明で、「我々の入手した情報によれば、イラン政府はロシアに対し、武器の搭載が可能なものを含むドローン数百機を提供する準備を進めている」と述べた。
またロシアの代表団が最近、イラン製ドローンに関する説明を受けたとの分析を発表。その様子を捉えた6月撮影の衛星画像を公開するとした。
こうした情報はイラン製ドローンの入手に対するロシアの関心を示唆するとしたうえで、同国代表団による視察は6月に初めて行われたとサリバン氏は指摘した。米当局者によれば、同様の視察は今月5日にも実施されたという。
今回のバイデン大統領の中東訪問では、イスラエルやサウジアラビアなどの国々との間で、イランが重要な論点となっていた。米当局者の1人はCNNの取材に答え、イランとロシアの連携が拡大していることから米国は中東での存在感と影響力を維持する必要があると指摘した。
現時点での米国の見立てでは、ロシアは明らかにイランに目を向け、自国のドローンの備蓄補充に利用しようとしている。ただこれらのドローンがどれほど高性能もしくは効果的なのかは判然としない。