バイデン米大統領、ザワヒリ容疑者殺害を発表 アルカイダの指導者
(CNN) バイデン米大統領は1日、ホワイトハウスで演説し、国際テロ組織アルカイダの指導者アイマン・ザワヒリ容疑者(71)をドローン(無人機)攻撃で殺害したと明らかにした。
ザワヒリ容疑者はアルカイダの指導者だったオサマ・ビンラディン容疑者が米軍に殺害された後、11年間にわたりアルカイダの国際的シンボルとして存在感を保っていた。ビンラディン容疑者の生前には専属医師を務めていたこともある。
当局者によると、ザワヒリ容疑者はアフガン首都カブールの隠れ家に潜伏していたところを、空対地ミサイル「ヘルファイア」2発による精密攻撃で殺害された。無人機攻撃が行われたのは米東部時間の7月30日午後9時48分。バイデン氏は閣僚や側近との複数回の会議を経て、攻撃を承認した。攻撃時に米国の要員は1人も現場にいなかった。
当局者によると、イスラム主義勢力タリバンの一派「ハッカーニ」の幹部はザワヒリ容疑者が当該地域にいることを認識しており、これはドーハ合意の「明白な違反」に当たるという。米国は30日の攻撃についてタリバン当局者に事前通知しなかった。
バイデン氏は演説でザワヒリ容疑者について、「9・11同時多発テロの立案に深く関与しており、米国の地で2977人を殺害した攻撃に最も責任のある人物の1人だ。彼は数十年にわたって米国民への攻撃を首謀してきた」と指摘した。
そのうえで「彼を戦場から完全に排除する精密攻撃を私が承認した」と明らかにした。
一方、タリバンのムジャヒド報道官は一連のツイートで、「カブールのシェルプール地域にある住宅に対し、7月31日に空爆が行われた」と説明。タリバンによる初期調査の結果、米国のドローンが攻撃を実施したと判断したことを明らかにした。
ムジャヒド報道官は、タリバンは「いかなる口実があろうと今回の攻撃を強く非難する。国際原則とドーハ合意に対する明白な違反だ」としている。
ザワヒリ容疑者の「標的殺害」は、米軍のアフガン撤退とタリバンによる実権掌握から1年を迎えるタイミングで行われた。カブール陥落の当時、バイデン氏はテロリストを狙うための米軍の能力、つまりドローンは残ると示唆していた。