米軍、ドローンに接近するロシア軍戦闘機の動画公開 燃料投下、プロペラ損傷
(CNN) 米欧州軍は、米軍無人偵察機とロシア軍戦闘機が14日に黒海上空で遭遇した際の様子を映した動画を公開した。
新たに機密解除された動画は、空中での遭遇における重要な瞬間を捉えている。米国防総省によると動画の長さは30~40分。
動画に映るのは、米空軍のドローン「MQ9リーパー」に搭載されたカメラの映像だ。後方を向いたカメラが、ドローンの尾翼と回転するプロペラを映している。
そこへロシア軍の戦闘機「Su27」 が出現。ドローンに近づくと、燃料を投下して飛行を妨害した。
別の映像箇所でも当該の戦闘機は同じくドローンに接近し、再度燃料を投下した。
その後、ドローンの映像は、戦闘機が衝突したために乱れている。プロペラが損傷し、最終的に米軍は機体を黒海に墜落させざるを得なかった。ロシアは衝突が起きたことを否定している。
再度映ったカメラの映像から、プロペラが衝突で損傷しているのが確認できる。
ドローンの操縦者はそのままグライダーのように機体を飛行させ、高度を下げながらクリミア半島南西の公海に墜落させた。
ロシア政府は、ドローンの残骸の回収を試みると明言。米政府当局者2人は15日、ロシアの艦船が現場海域に到着したことを明らかにした。
米国家安全保障会議のカービー戦略広報担当調整官は、同日のCNNの番組でドローンがまだ回収されておらず、米国側で回収可能かどうかも「判然としない」と述べた。
一方で、米国の講じた手立てによりロシア側はドローンの残骸から情報的な価値を一切引き出せなくなっていると説明。海面に浮かんでいる可能性のあるいかなる残骸からも、そうした情報は得られないと語った。