米偵察ドローン、黒海のさらに南方へ飛行ルート変更 ロシア機との衝突受け
(CNN) 先週発生したロシア戦闘機と米無人機(ドローン)の衝突を受け、米国が偵察ドローンの飛行経路を黒海のさらに南方へ移していることが分かった。米当局者2人が明らかにした。
偵察ドローンは依然として国際空域にとどまっているものの、14日に起きたロシア機と米無人機「MQ9リーパー」の衝突を受け、米国はドローンの飛行経路をクリミア半島や黒海東部を囲む空域からさらに遠ざけているという。
当局者の一人はこうしたルートについて、「挑発的になりすぎるのを避ける」ための取り組みだと説明した。バイデン政権は依然、米ロ両軍の直接衝突に発展しかねない事態を慎重に避けている。
当局者によると、ドローンは「当面は」現在のルートを飛行し続ける見通しだが、ロシア領に近いルートに戻ろうとする動きも既に出ているという。
民間の航空機追跡サイト「フライトレーダー24」は21日、米国の無人機「RQ4グローバルホーク」が黒海南部や南西部の高度約15.8キロを飛行する様子を捉えた。
米国防総省のライダー報道官は21日、米国は引き続き黒海上空でドローンを運用し、「国際法に従って国際空域を飛行する」と表明。ただ、先週の事案を受けて米国がルートや任務の内容を変更したどうかには触れなかった。
黒海上空では先週、ロシアのスホイ27戦闘機2機が国際空域で活動する米国の「MQ9リーパー」に嫌がらせを行い、ロシア機1機がリーパーに衝突してプロペラが損傷、墜落する事態となった。