現在のロシア地上部隊、ウクライナ開戦時より「規模大きい」 米軍司令官
(CNN) 米欧州軍のカボリ司令官は26日、ロシアはウクライナでの戦争で損失を被っているものの、依然として豊富な戦力が残っているとの見解を示した。
カボリ氏は上院軍事委員会で証言し、「ロシアの地上部隊は今回の紛争でやや劣化したが、現在の規模は開戦時よりも大きい」と述べた。
空軍が失った航空機は80機にとどまり、まだ戦闘機と戦闘爆撃機が合わせて1000機残っているという。海軍が失った艦艇は1隻。
米空軍州兵がリークしたとされる軍の機密文書からは、ロシアの地上部隊が戦争のどの場所に投入されたのかがうかがえる。2月と3月の日付が入った文書によると、使用可能なロシアの大隊544個のうち、ウクライナ戦争に投入された大隊は527個。このうち474個は既にウクライナ入りしているという。
文書の一つでは、ウクライナで戦死したロシア兵の数を3万5000~4万3000人と推計している。
ウクライナ東部バフムート周辺の戦闘では特に死傷者数が多い。ウクライナ軍東部方面部隊の報道官は25日、ロシアは「すべての戦力をバフムートに集中させている。我々が管轄する作戦区域の他の場所では、それほど強力な戦闘作戦は実施していない」と指摘した。
米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長も先月、バフムートを巡る戦闘でロシア兵が大きな犠牲を出していると述べていた。
ただ、こうした損失はロシアの総兵力のごく一部に過ぎないとみられる。カボリ氏は大西洋におけるロシア潜水艦の哨戒活動について聞かれ、ロシア軍の大部分はウクライナ侵攻で影響を受けておらず、近年になく高い水準で活動しているとの見解を示した。