米軍ドローン、ガザ上空で偵察 人質救出の情報収集 国防総省

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(CNN) 米国防総省は9日までに、米軍がパレスチナ自治区ガザ地区上空にドローン(無人機)を飛ばし、イスラエル軍と交戦するイスラム組織「ハマス」が拘束する人質240人以上の居場所の特定でイスラエルを支援していることを明らかにした。

同省のライダー報道官は声明で、使っているドローンは非武装とし、情報収集の飛行はハマスがイスラエルへ先月7日に仕掛けた大規模奇襲以降に開始されたとした。人質奪回の努力への支援や助言が目的だという。

CNNは先に、多数の米政府当局者の情報を引用し、ハマスによる大規模攻撃後の数日間内あるいは数週間内に米国は中東で諜報(ちょうほう)収集の能力や手段の強化を図ったと報道。

この問題に通じる関係筋によると、無人機「MQ9リーパー」の2機はレバノン沖で監視飛行も実施した。米国はハマスとイスラエル軍の軍事衝突を受け、レバノンに拠点があるイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」やイランが肩入れする他の代理勢力の全てが中東情勢の緊張をあおる兆候がないのかを注視している。

一部の元情報機関当局者によると、米軍のドローンがガザ上空で撮った画像などが人質が収容されている場所の特定にどれほど貢献しているのかは不明。人質は広大な地下トンネル網に拘束されているとの見方が多い。240人以上の人質のうち10人は米国人とみられている。

米政府当局者は、ドローン偵察で得た諜報はイスラエルと共有しており、あくまで人質救出が主眼の作戦になっていると主張。ハマス指導者の抹殺(まっさつ)やその潜伏先の壊滅など致命的な攻撃に使われる情報ではないとも説明した。

米国はイスラエルへ特殊作戦担当要員も送り込み、人質を取り戻す手立てで助言もしている。米国はまた、イスラエルへ爆弾や致死性兵器も供与している。

バイデン米政権は、米海兵隊のジェームズ・グリン中将をイスラエルへ派遣し、ガザへの戦術攻撃の策定でイスラエル軍の相談役としての任務に就かせたが、中将は既に米国へ戻った。

ただ、ライダー報道官は米軍はイスラエル軍によるガザでの軍事作戦には加わっておらず、作戦遂行面で助けてもいないと強調。「作戦実行の主体はあくまでイスラエル軍であることは極めて明瞭」ともつけ加えた。

しかし、一部の米政府当局者はCNNの取材に、米軍のドローンが入手した情報のイスラエルへの流出は人質の問題以上にハマスの軍事的な活動などの追跡や把握で役に立つ可能性もあることに注意を向けた。

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