ロシア軍、地上兵力の9割近くを喪失か 米情報機関
(CNN) ロシア軍はウクライナへの侵攻を開始してからの約2年間で、現役の地上兵力のうち87%、戦車の3分の2を失ったとする米情報機関の見解が明らかになった。機密解除された報告書の内容に詳しい関係者が、CNNに語った。
報告書は、ロシア軍の進めてきた地上軍の近代化が、15年分後退したと指摘している。
報告書によると、ロシア軍はウクライナに侵攻した兵士36万人のうち、31万5000人を戦場で失った。さらに戦車3500台のうち2200台を失い、歩兵戦闘車と装甲兵員輸送車計1万3600台の32%に相当する4400台が破壊された。
地上軍の装備も先月末までに4分の1以上減少した。作戦の内容や規模が縮小した結果、昨年初めから大きな戦果を挙げられずにいるとみられる。
報告書は11日に米議会へ送られた。議会ではウクライナへの支援継続を含む緊急予算をめぐり、与野党の攻防が続く。ウクライナのゼレンスキー大統領はホワイトハウスでバイデン大統領と会談し、軍事、経済支援の必要性を強く訴えている。
これに先立ち、米国家安全保障会議(NSC)の報道官は最近機密解除された別の情報として、ロシア軍がウクライナ東部ドネツク州で10月から展開している作戦では1万3000人以上の死傷者を出し、戦闘車両220台以上を失ったとの見方を示していた。