トランプ氏、スミス特別検察官への法廷侮辱罪適用求める 地裁判事に申し立て
(CNN) 米国のトランプ前大統領の弁護士チームは4日、首都ワシントン連邦地裁のターニャ・チャトカン判事に対し、トランプ氏を刑事訴追しているジャック・スミス特別検察官と同氏の事務所の検事らについて、厳しい制裁措置が科されるべきだと訴えた。2020年の大統領選挙結果を覆そうとした疑惑を巡る訴訟で、チャトカン氏が訴訟手続きの一時停止を命じたにもかかわらずスミス氏らが文書提出を続けているとして、法廷侮辱罪に問うことも可能だとの見方を示している。
選挙結果転覆の画策を巡る当該の刑事裁判で、免責特権の適用に関するチャトカン氏の決定を不服としてトランプ氏が上訴したのを受け、チャトカン氏は訴訟手続きを一時停止していた。
トランプ氏の弁護士らは、スミス氏をはじめとする検事らを非難。極めて明確な一時停止の命令が出されていながら、それに違反する行動をほぼ即座に取っていたと糾弾した。
弁護士らはチャトカン氏に対し、スミス氏らに向け自分たちの行為が法廷侮辱罪に当たらない根拠を示すよう命令を下すことを求めている。命令には提出した文書の撤回と、今後の提出の「禁止」も含まれるとした。さらにスミス氏らに「金銭的な制裁」も科し、それをトランプ氏の弁護士費用の一部に充てるべきとの考えも示唆した。
スミス氏の事務所は、トランプ氏の弁護士チームからの申し立てに関するコメントを控えた。
トランプ氏は米国を欺く共謀の罪など4つの罪状に直面する。本人は無罪を主張している。
トランプ氏の弁護士らはチャトカン氏への文書の中で、スミス氏のチームが一時停止の命令を利用して「政治的プロパガンダを拡散している」と主張。
「このような悪質な行為は訴訟手続きの完全性を損なうものであり、厳しい制裁を科されて当然だ」と述べた。