イラン、代理勢力の攻撃激化を懸念か 緊張増大で 米諜報
(CNN) 米政府当局者は3日までに、緊張が高まる中東情勢に触れ、イランはイラク、シリアやイエメンで活動する自らの代理勢力による一部の行動に不安を抱き始めている兆候があると判断していることを明らかにした。
米諜報(ちょうほう)に通じる複数の関係者が述べた。これら武装組織などによる攻撃は世界経済を混乱させる脅威となっており、米国との直接的な対決のリスクを大幅に高めてもいる。
ヨルダンでは最近、米軍の陣地へのドローン(無人機)攻撃が起き、米兵3人が死亡する事態も発生。米国は親イラン武装組織の連合体「イラクのイスラム抵抗運動」の犯行と断定したが、この攻撃はイランの不意を突くものだったという。
CNNの取材に応じた複数の米政府当局者は、イランの指導部を憂慮させる攻撃だったとも指摘した。
中東地域に展開する米軍への親イラン武装組織による攻撃は昨年10月以降、これまで160件を超え、ほぼ連日のように起きている事態ともなっている。イランは米国への打撃を目標に据え、これら組織への資金や装備品の供与、訓練に長らく当たってきたが、ヨルダンでの攻撃は米軍兵士が初めて殺害される事例ともなった。
米諜報はまた、イランがイエメンに拠点を置く反政府武装組織「フーシ」による紅海での商船などへの攻撃を懸念していることも示唆。イランの友好国である中国とインドの経済権益を阻害しかねないことへの危惧が背景にある。
米政府当局者は代理勢力による攻撃へのイランの警戒心の高まりが、米国や西側諸国の標的への打撃を支持するというより広範な戦略を変質させる可能性があるとの見方には意味はないとも断じた。ただ、攻撃の限界点などで調整が行われる可能性に言及した。
その上で、イランは全面戦争の勃発を避けるために練り上げた紛争で修正を加えた手法を模索することになるだろうとも分析した。