イスラエル首相、指導者としての存続「危ぶまれる」 米情報機関が報告書
(CNN) 米国の情報機関が、イスラエルのネタニヤフ首相について、イスラエルの指導者としての存続が危ぶまれていると考えていることがわかった。米国の情報機関が安全保障上の脅威などについてまとめた年次報告書で明らかになった。
11日に公開された報告書によれば、ネタニヤフ氏の統治能力に対する不信感は、イスラエルとイスラム組織ハマスとの紛争が始まる前からすでに高い水準にあったが、それがさらに強まり、国民全体に広がっており、ネタニヤフ氏の退陣と新たな選挙を求める大規模な抗議活動が予想される。これにより、ネタニヤフ政権とは異なる、より穏健な政府が誕生する可能性があるという。
バイデン米大統領は先週末に行われたインタビューで、ネタニヤフ氏について、パレスチナ自治区ガザ地区で多くの死者を出したことで、「イスラエルを助けるよりも、イスラエルを傷つけている」と述べていた。バイデン政権はイスラエルに対し、パレスチナ自治区ガザ地区に搬送する支援物資を増やすよう働きかけており、ガザ南部ラファでのイスラエル軍の軍事作戦は、レッドライン(越えてはならない一線)だとしている。
イスラエル戦時内閣の閣僚のひとり、ガディ・アイゼンコット氏は1月、国民がもはやネタニヤフ氏の指導力を信頼していないとして、新たな総選挙の必要性を訴えていた。アイゼンコット氏の発言は、戦時内閣内の亀裂や、ネタニヤフ氏の戦争計画に対する不満の高まりを示すものだった。戦時内閣は、昨年10月のハマスによる攻撃の後に結成されたが、対立関係にあったメンバーも含まれている。