授業で奴隷売買を再現、侮蔑表現も　教師に休職処分　米マサチューセッツ州

（ＣＮＮ） 米東部マサチューセッツ州ボストン近郊の小学校で、授業中に奴隷売買の場面をまねたり、黒人への侮蔑表現を使ったりしたとして、教師が休職処分を言い渡された。学校区の教育長が父母に送った書簡で明らかになった。

現地のＣＮＮ提携局によると、教育長は４月に報告を受けた。

書簡によれば、教師は１月、奴隷貿易の歴史に関する５年生の授業の中で、奴隷売買を模して非白人の児童２人を立たせ、歯並びや筋力などの身体的特徴をほかの児童らと議論したとされる。

４月には、５年生のカリキュラムにない本を読み聞かせるなかで、黒人への侮蔑語を口にした。

本の文章自体にこの言葉は使われていなかった。教育長は、侮蔑語の使用が児童らに害を及ぼし、自由な議論の妨げになる恐れもあると指摘した。奴隷売買を模した授業についても学校区全体の価値観に反し、容認できないと批判。歴史上の残虐行為などを扱う授業にロールプレイング（役割演技）の手法を採用することで、非白人の児童が精神的な打撃を受ける可能性にも言及した。

クラスの父母らは４月に同教師、校長と話し合いの場を持ったとされるが、教育長は教師がその翌日、侮蔑表現を報告した児童を注意したことに対しても「容認できない」と述べた。

これを機に学校区が正式な調査に乗り出し、教師には休職処分が下った。校長も先月、１０日間の休職処分を受けた。

教育長はインタビューで謝罪の意を表し、学校区の対応力を改善すると表明した。