タイタニック潜水艇事故、防げた可能性 運営会社の元責任者が証言

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かつてオーシャンゲートの海洋事業を統括していたデービッド・ロックリッジ氏=17日/Andrew J. Whitaker/Pool/The Post And Courier/AP

かつてオーシャンゲートの海洋事業を統括していたデービッド・ロックリッジ氏=17日/Andrew J. Whitaker/Pool/The Post And Courier/AP

(CNN) 豪華客船タイタニック号の見学ツアーに向かった米潜水艇「タイタン」の事故を調査する米沿岸警備隊・海洋調査委員会(MBI)の公聴会で、タイタンの運営会社「オーシャンゲート」の元責任者が17日、事故は未然に防げた可能性があると証言した。

かつて同社の海洋事業を統括していたデービッド・ロックリッジ氏は、社内に「金もうけ優先」の文化があったと指摘。自身が労働安全衛生庁(OSHA)に何度も指摘した懸念の重大性が調査されていれば、「悲劇を防ぐことができたかもしれない」と語った。

ロックリッジ氏は2018年の報告書で、同社の業務の安全性に強い懸念を表明していた。同年に解雇された後も、OSHAへのメールでタイタンの安全性に改めて「極度の懸念」を示したが、ただちに調査が行われなかったことに「深く失望」したと述べた。

同社の業務は「すべてがごまかし」だったとも語った。

同氏によれば、タイタンに取り付けられていたアクリル樹脂製の窓はメーカーが水深1000メートルまでしか認証していなかったにもかかわらず、ツアーでは4000メートルの深さまで潜る計画だった。メーカーは深さに耐える窓の製造を提案したが、同社は無視した。

事故で死亡した創業者のストックトン・ラッシュ氏は潜水艇の操縦訓練について、「ゲーム機を渡して1時間もすればできるようになる」と主張していたという。

ロックリッジ氏は、オーシャンゲートがあらゆるルールを無視して、タイタニック見学ツアーの予約金をすでに取っていた「実験的な潜水艇」を一刻も早く完成させることだけを目指していたと批判した。

技術チームは全員が新卒や、まだ大学にも行っていない未経験者だったという。

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