ハマスの奇襲から間もなく1年、米国内での潜在的脅威に治安当局が警鐘

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
昨年10月7日、ハマスの襲撃を受けたイスラエルでの野外音楽フェスティバルの現場/Alexi J. Rosenfeld/Getty Images/File

昨年10月7日、ハマスの襲撃を受けたイスラエルでの野外音楽フェスティバルの現場/Alexi J. Rosenfeld/Getty Images/File

(CNN) 昨年10月7日にイスラム組織ハマスがイスラエルに対して仕掛けた奇襲攻撃から間もなく1年、この日を口実に過激主義者らが暴力行為に走るとの懸念が浮上している。米連邦捜査局(FBI)と国土安全保障省(DHS)が4日、共同発表を行って警鐘を鳴らした。

今回の勧告では、具体的もしくは信頼に足る米国への脅威についての言及は一切なかった。ただ現在イスラエルはレバノンにあるイスラム教シーア派組織ヒズボラの拠点への攻撃を実施している他、最近受けたイランによる弾道ミサイル攻撃への報復を検討している。

CNNが既に報じたように、全米の警察はユダヤ教とイスラム教の施設周辺での警備を強化している。最近の中東情勢の緊迫化に加え、10月7日とユダヤ教の祝祭日を念頭に置いた対応だ。

法執行機関の情報筋はCNNの取材に答え、ニューヨーク市警が9月30日にパトロールを増強したと明らかにした。この態勢は向こう2週間維持される見通しだという。同市警は州警察と連携して、橋やトンネルなどでの爆発物探知にも従事する予定。放射線の探知のためヘリコプター部隊も投入されるという。

ロサンゼルスやシカゴ、マイアミ、フィラデルフィアでもそれぞれ警備レベルを引き上げている。

FBIとDHSは4日の共同発表で、シナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)やモスク(イスラム教礼拝所)などの宗教施設、記念式典や追悼行事などの大規模な集会、その他の合法的なデモ活動は、暴力的な襲撃や虚偽の脅迫の格好の標的になると指摘。暴力的な過激主義者や憎悪犯罪の加害者がそうした脅威の主体になると注意を促した。

その上で、周囲に常に気を配り、不審な行為を目にした場合は当局に通報するよう呼び掛けた。

FBIとDHSの評価によると、外国のテロ組織は単独の攻撃主体に対して米国への暴力行為を促すため、イスラエル、ハマス、ヒズボラ、イランの敵対関係にまつわる言説を引き続き利用する可能性が高いという。

「ローンウルフ(一匹狼)」と呼ばれるこれらの主体はテロ組織に正式に属しておらず、法執行機関にとってとりわけ深刻な困難をもたらす存在となっている。この問題については治安に携わる複数の情報筋が、以前CNNの取材で明らかにしていた。

メールマガジン登録
見過ごしていた世界の動き一目でわかる

世界20億を超える人々にニュースを提供する米CNN。「CNN.co.jpメールマガジン」は、世界各地のCNN記者から届く記事を、日本語で毎日皆様にお届けします*。世界の最新情勢やトレンドを把握しておきたい人に有益なツールです。

*平日のみ、年末年始など一部期間除く。

「米国」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]