トランプ氏の選挙介入事件、特別検察官が大量の編集済み文書を公開

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トランプ氏の選挙介入事件を巡り特別検察官が提出した編集済みの証拠文書が公開された/Joe Raedle/Getty Images

トランプ氏の選挙介入事件を巡り特別検察官が提出した編集済みの証拠文書が公開された/Joe Raedle/Getty Images

(CNN) 米国のトランプ前大統領が2020年の大統領選の結果を覆そうとした事件を巡り、 ジャック・スミス特別検察官は18日、編集済みの箇所が多くを占める2000ページ近くの文書を公開した。トランプ氏への起訴に関して、スミス氏が依拠する証拠の一端が明らかになった。

大半のページは完全に編集されており、そこには大陪審による判断の写しや、数年がかりの捜査で連邦捜査局(FBI)が実施した聴き取り調査の内容が含まれているとみられる。

未編集で判読可能な部分に含まれている情報は、既に公開された内容だ。具体的には20年大統領選の後、トランプ氏がジョージア州の州務長官にかけた電話の通話内容や、偽の選挙人が署名した「非公式の選挙の承認証明」 、当時のペンス副大統領が連邦議会に送った書簡など。書簡の中でペンス氏は、21年1月6日の議会での選挙結果承認を拒絶できなかった理由を説明している。

一方、今回の公開で明らかになった新たな詳細の一例としては、連邦議会議事堂襲撃事件を調査した下院の委員会が22年にホワイトハウスの職員に対して行った聴き取りの内容が挙げられる。

今年に入り、下院共和党は当該の聴き取りの写しを公開したが、その時点で同党議員らはこの職員による回答の一部に編集を加えていた。

写しによれば職員はトランプ氏に対し、「支持者らが議事堂に押しかけている」ためテレビ局が同氏の演説から離れていったと告げている。

最初は事態がのみ込めていない様子のトランプ氏だったが、その後は職員が持ってきたテレビの画面を見て現場の状況を自身の目で確認していたという。

18日に公開された文書は四つのパートからなる。一つ目は上記の議事堂襲撃事件調査委員会が行った様々な聴き取りの抜粋。二つ目にはツイッター(現X)をはじめとするソーシャルメディアにトランプ氏及び同氏の陣営、支持者らが行った投稿などが盛り込まれている。1月6日の暴動の間に投稿された内容もここに含まれる。

これらのツイートの一つでトランプ氏は、議事堂襲撃の当日、ペンス氏について「勇気が無いのでやるべきことが出来なかった」との見解を述べている。大統領選の結果を変えようとする自身の取り組みに関する言及とみられる。

三つ目のパートには、偽の選挙人が署名した「非公式の選挙の承認証明」の写真が含まれる。トランプ氏の支持者らは当時、この証明が大統領選の結果転覆に寄与するのを期待していたとされる。ペンス氏が22年に出版した自伝の複数ページの写真や、トランプ氏とジョージア州州務長官との通話の写しもこのパートに収められている。

最後のパートに含まれているのはトランプ氏の弁護士のジョン・イーストマン氏によるメモ書きで、そこにはペンス氏が選挙結果の承認を拒絶する計画が記されている。他にはトランプ氏が1月6日前夜に発表した公式声明や、同日の演説用に準備した発言内容などがまとめられている。

スミス氏は4件の犯罪でトランプ氏を刑事訴追しているが、連邦最高裁は今夏、トランプ氏による大統領在任中の行為の一部について免責を認める重要な判断を下している。

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