シリアの駐留米軍、徐々に増加 国防総省認める
(CNN) シリア駐留米軍の数が少なくとも2020年以降、国防総省が公表しているよりも定期的に増加していることが分かった。ここ数カ月は米国が長らく900人程度としてきた数の2倍以上に増加しているという。事情に詳しい複数の国防当局者がCNNに明らかにした。
国防総省は先週、900人を超える追加部隊は「一時的」だと述べた。しかし同省のライダー報道官は23日、シリア駐留軍の人数について基準となる部隊への脅威が増大するにつれ、徐々に増加していることを認めた。
ライダー氏は19日、シリア駐留軍の数は2000人程度で、ここ数年で「我々が説明してきた数より大幅に多い」ことを初めて明らかにした。同氏はさらに、ここ数日で初めてシリア駐留軍の規模が拡大していることを把握したと述べた。
2人の当局者によると、陸軍の計画・作戦・訓練担当責任者が今月、内部で実際の数を伝えた。人数が現在のピークに達した正確な時期は不明だが、昨年10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃を受けて、米国は中東の軍事資産と兵員を増やしている。
ライダー氏は23日、約900人の基準部隊に加え、約1100人が短期間派遣されていると説明。これらの兵員は部隊の保護や輸送、保守、その他の新たな作戦上の要件を一時的に支援する役割だという。
情報筋はCNNに対し、国防当局は近隣のパートナー国、特にイラクを怒らせる恐れがあるため、シリア駐留部隊の実際の人数を公表することに長い間消極的だったと語った。
国防総省が以前に発表していたよりも多くの部隊を派遣している国はシリアだけではない。同省は23日、イラクには基準値としていた2500人を上回る兵員がいる可能性があることを認めた。一方でイラクに何人駐留しているかについてはこれ以上の詳細を明らかにせず、「交代制で派遣されている一時的な支援要員がいる」と述べるにとどめた。
ライダー氏は詳細を述べないことについて「作戦上の安全と外交上の配慮のため」としている。このあいまいな言及は、シリアの場合と同様、これまで認められていたよりも大幅に大規模な部隊がイラクに存在する可能性を残すものだ。
米軍の駐留はイラク当局者にとって微妙な問題であり、当局者らは米軍をイラクから撤退させたいと公言している。イラク国民がシリアでの駐留数の増加を知れば、イラクでも同じことをしているのではないかと不安を感じるとみられ、今やその可能性があるようだ。イラクにおける将来の米軍駐留に関する交渉が進められている中、この問題は特に微妙なものとなっている。